絶対階級学園 感想

絶対階級学園、コンプしました!!!!!

システム面
1 選択肢までのスキップが快適なので周回プレイが楽
左スティックちょいだけで選択肢をいったりきたりできるのはめちゃくちゃ便利。それほど分岐が多いわけじゃないけど、やっぱりエンド回収の上ではそういう些細な手間が重なって苦痛になりがちなんだけど、絶対階級学園ではほとんど感じなかったな

2 章選択ができない
とはいえタイトル画面からシーン選択ができるモードに飛べるし、大切なイベントや甘いラブラブイベントは基本的にスチルがついてるからもう一回振り返ろうと思った時のわずらわしさは少ないと思う。

3 ボイスコレクション
ほかのゲームであまり見たことがないシステムだなぁと思ったので最初はあまり使ってなかったんだけど、リップ音コレクションとかレイさんの低音キムリョボイスとか集め始めると楽しくなってくるのが不思議。

4 攻略ご褒美ウォールペーパー
かわいい。


スチル数は多いとも少ないとも思わなかったけど、大事なイベントでは絶対に入るし、なにより絵がうまい(絵がうまい)と思う。

キススチル格差もないし。スチルで100点!

乙女ゲーとかってキャラデザの人と、ゲーム内スチルの原画・塗り担当が違うのか、設定画ではきれいなのに立ち絵やスチルになるとヘボ…になるものがそこそこあるんだけど、絶対階級学園は立ち絵もきれいでめちゃくちゃ満足。最高。イラスト集欲しいな…あるのかな…。

シナリオ
最初はヘンテコ校則学園ものかな~?って思って、まぁ学園ものあるあるシチュに加えて学園内身分差ロミオとジュリエット的な?とのんきに構えてたら石ころルートで出るわ出るわ不穏な単語と伏線。
これ薔薇ルートで学園に順応してたら、真相のことほとんど匂わせないつくりになってるんだよね…。
学生の正体についても本土にいる人間のクローン予備臓器(わたしを離さないで)かな?とか電子世界ヴァーチャルリアリティ内で管理されてるのか?とかいろいろ妄想してたんですが、そこまでとんでもない設定でもなく、ラストはまぁすっきり解決みたいな感じでSFというには弱いけど、キービジュやあらすじで想像される雰囲気とはかなりかわった真相ルートで大変満足できました。
しかし学園もの乙女ゲーで舞踏会シチュをこんな自然にねじこむなんて感服です。せみにゃん舞踏会シチュ大好き。事前の練習二人きりのダンスレッスン最高以外のなにものでもない。
ただ当日は誘われかけ…?にとどまって強制的に理事長なのもまぁ展開的には仕方ないのかね。ダンデビだと本番ダンススチルだった。でも練習での制服ダンススチルいいじゃん。

各キャラクターについて

1 鷹嶺陸
石ころルートが面白すぎてほかに言うことがない。
学園の王者に逆らって「お前面白いな」が発動したのにはめちゃくちゃ笑ってしまった。
反発反発喧嘩からの、ふとした弱みを見せてからの急接近、ほんとこの手のプライド高いポンコツマンにあるあるすぎる。チョロすぎるし。こらえてくれ。

薔薇ルート、ほかのキャラだと身分差がどうとか、薔薇になじめないヒロインの苦悩とかが大きく取り上げられるんだけど、陸とくっついての薔薇だとその辺の葛藤はないんだけど、浮かれた陸がヒロイン可愛さに横暴になっていくのがしんどい。
石ころやったあとだと陸の優しさが理解できるので、立場や愛で目を曇らせた男がどんどん狂っていく姿というのはつらいものがある。
ただ薔薇グッドエンドのヒロインはめちゃくちゃしたたかになるので、それは必見。誰だって女王の素質を持ってるんだよ。

2 鷺ノ宮レイ
き、キムリョ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!
エルエルフ好きですか?低音キムリョボイスは好きですか!?好きならやりましょう。一見優男で穏やか系キムリョはまぁいいか~とか思ってたらすごい落とし穴があったぞ!
しかも薔薇ルート、だいたいどのキャラもこの先にあるのは暗黒…みたいな雰囲気で終わるのに、レイさんルートのヒロインだけは正気を保ってるのでまだ未来がある。そういうのも含めて、レイさんの運命力がめちゃくちゃ高いんですわ。
真相ルート解放制限があって、レイだけ誰かほかのキャラを一人でも攻略しないと進めないんだけど、それだけあって運命度がひときわ高い。
キービジュや出逢い方の衝撃の点で陸がメインなのかな?って思わせておいて、レイさんがメインヒーローで因縁の特異点で、って感じ。
「お前が初めて俺の名前を呼んでくれた」エルエルフ系男子、キムリョにやらすと一級品になる。好きにならざるを得ない。

3 加地壱波
柿…があんまりなのであんまり…って思ったんだけど、妹の真相が明らかになるあたりではちょっと泣いた。
ただ石ころ→真相ルートに進むと、友達の女子キャラとの和解が進むので、その点はとてもよかった。

4 七瀬十矢
前野、やばい。
レイさんが運命の男なら、ヒロインを最も幸せにできるのは七瀬くんなのでは?というポジション。男気にあふれている。「お前は俺が守る」を地で行く。ただしバッドエンドではそこそこ死ぬ。
最初から最後まで頼もしい。このゲームの男、よくメンタルをヘタらせるんだけど、七瀬くんに限ってはメンタルをグダらせて引きこもったりしない。強い。ちょっと気まずくなってすれ違うこともあるけどそれをバネにして救出イベントを起こしてクライマックスにもっていく。真相が明らかになりそうになってもグズらない。強い。
騎士様勇者様って感じ。
でもそれがこちらに牙を剥いたらどうなるのか?ってのが薔薇ルートで見れるのでそれも最高。愛憎入り混じる関係、一緒にいても傷つけあうし未来も見えない、薔薇とレジスタンスという相容れない立場でありながら愛し合ってしまう、そんなすさまじい関係が見れるのは七瀬十矢だけ!

5 五十嵐ハル
い、石川界人~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!石川界人~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!
えっめっちゃかわいくない?言葉の選び方がかわいい。好きとか愛してるとかじゃなくて「アンタがおばあちゃんになったら世話してあげる」とか「(人物画はそのモデルを愛してないと描けない、という会話を踏まえて)これからアンタは一生俺の絵のモデルになるんだから。ご愁傷様」とか、そういう、言葉の。ご愁傷様。最高。
ちょっと上から目線の告白も人間不信型クーデレ年下少年ボーイからだとご褒美ですわ。言葉選びがかわいいし、それを演じる石川界人の自然体な声が相まって、もうほんとうにこの小生意気な後輩が愛しく思えてくる。
もちろんそういう甘酸っぱいやり取りだけじゃなくて、ハルくんの抱えてる闇やトラウマにまっすぐまっすぐ立ち向かっていくヒロインの強さも観てほしい。
ハルくん、年下だし石ころ内でもいじめられっ子で、斜に構えてて素直じゃないしかといって逆らうほどの強さがないから諦めてるし、ダウナー寄りなんだけどヒロインと付き合ううちに、いろんなことにかかわろうとしてくれるし、真相解明のために自分から一緒に行くって言ってくれたのは本当にうれしいんだよな~。

石ころの(真相はわからないけど)「俺、あんたのこと気に入ってるし、ずっと一緒にいてあげてもいいよ」なハッピーラブリーエンドを迎えた後に薔薇ルート入ると精神的にきっつい……。
薔薇に昇格したヒロインがはやく薔薇になじみたいからってハルくんを付き人にしてしまうんだけど、そうした時点でもう対等な友達じゃないし、周りの雰囲気に流されるようにしてハルくんを召使扱いし始めるのが本当にしんどい。ついていけなくなって薔薇の人たちに馬鹿にされるって焦るヒロインも、そんなの向いてないからやめろって反発するハルくんの態度もしんどい。本当にしんどい二度とやりたくない。
ただ、攻略対象の年下少年ボーイに手をかまれて指を噛み千切られるか、あるいはこちらの爪が咥内をえぐるかの水面下での憎み合いを見れるのは絶対階級学園だけ!
あとなんなんだろう、バッドエンドなんだけど、ヒロインはよくハルくんを飼い殺しにするのでちょっとその辺が面白いですね。